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<編集部からのコメント>
12月となりました。世間一般にはボーナスシーズンということになりますが、住宅ローンに関して言うと、来年3月の引越しシーズンに向けて徐々に盛り上がってくるタイミングでもあります。
加えてこの2014年4月には消費税増税が待ち受けている一方で、税負担という点では、2014年4月以降に購入した方がよいケースもあると指摘されており、色々な意味で活気づく要素がそろっています。
より有利で魅力的な住宅ローンが出揃うことを期待したいと思います。
ただ残念ながら上記記事の通り12月の住宅ローン金利は、みずほ銀行が住宅ローン金利を引き上げるなど、残念な動きもあるということですね。住宅ローン市場が盛り上がりつつある中でのこうした動きは、もちろん住宅ローン金利のベースとなる市場金利が変調しているためと考えられるわけですが、いつものように、住宅ローン金利と関係の深い、最近の長期金利=10年もの金利の推移をチェックするとこうなっています。
■長期金利グラフ(グラフ期間:1年)
4月の日銀による「異次元の金融緩和策」発表後、なぜかドカンと上昇した長期金利ですが、夏場以降、逆に金利の低下が大きく進みました。足元ではついに0.6%前後で推移しています。
9月に決定されると目されていた、アメリカの金融緩和縮小が予想外に先送りとなったという外部要因も影響しているかもしれませんが、やはりメカニズムとして大きいのは、異次元の金融緩和策発表によって崩れていた国債市場の需要と供給のバランスが正常化しつつある、ということでしょうね。
あるいは、大規模な金融緩和と対を成す大規模な財政出動に伴う、インフレ→金利上昇→国債価格下落といった懸念が遠のいた、ということもあるのかもしれません。
いずれにしても全体的には金利が極めて低水準にあるという点は住宅ローンユーザーからすれば歓迎すべき事態です。
ただ全体的にはそうなのですが、上記グラフを虫眼鏡でよーく見てみると、11月にほんの少し上昇したことがわかります。0.59%だったものが0.63%まで上昇した、という感じでしょうか?
これが今回、メガバンクの金利が「据え置き」もしくは「一部引き上げ」となった理由ですね。
とは言いつつ、「虫眼鏡」と述べたように、1m離れてみればほとんどわからない動きですし、また、足元の金利は0.60%前後ということで再度、金利低下の兆しが出ています。
さらにもっと大切なことは多少、金利が上昇したとしても、長期金利が0.6%台という現状は「史上最低水準」であるのは間違いない、という点ですね。多少の変動に惑わされず着実に超低金利のメリットを享受いただければと思います。
[2013年12月の住宅ローン金利]
そんなわけで、もうすでに全部述べてしまった感のある12月の住宅ローン金利ですが、全般的には11月の金利から据え置きとなっています。
つまりは、9月から先月まで3ヶ月連続で続いていた住宅ローン金利低下が一旦は小休止した、ということですね。ただ、それでも「異次元の低金利」を維持しているわけですから、住宅ローン借り入れ・借り換えの絶好のチャンスが継続しているのは間違いありません。
>>>今月の住宅ローン金利比較はこちら
では具体的な金利をチェックしていくとすると、まずフラット住宅ローンですが、主力のフラット35の金利は−0.01%、フラット20の金利も−0.01%と、こちらはむしろ11月に比べほんの少し金利を引き下げています。
なかなか積極的ですが、これは足元の金利再低下の兆しを先取りしたものなのかもしれませんね。
>>>最新のフラット35の金利はこちら(楽天銀行)
民間の住宅ローンに目を向けると、いつものように当サイトで人気の住信SBIネット銀行と、日本最大のメガバンクである三菱UFJ銀行の、11月と12月の住宅ローン金利を比較するとこのようになっています。
◆住信SBIネット銀行(Mr.住宅ローン)
・変動金利 : 0.698% → 0.675% (−0.023%)
・10年固定 : 1.200% → 1.200% (変わらず)
・20年固定 : 2.210% → 2.210% (変わらず)
・30年固定 : 2.330% → 2.330% (変わらず)
>>>最新の金利はこちら
◆三菱UFJ銀行(保証料を加えた実質金利)
・変動金利 : 1.275% → 1.275% (変わらず)
・10年固定 : 1.600% → 1.600% (変わらず)
・20年固定 : 3.650% → 3.650% (変わらず)
・30年固定 : 2.560% → 2.530% (−0.03%)
>>>最新の金利はこちら
どちらもやはり全般的には据え置きですが、注目なのはやはり住信SBIネット銀行ですね。
住信SBIネット銀行は新しい商品である「Mr.住宅ローン」の提供を11月から開始しました。従来の全疾病保障無料にプラスして、傷害補償や地震補償も無料で付加されます。
そうした「大盤振る舞い」のサービス内容でありながら、変動金利が0.698%と極めて低水準である点が注目されたわけですが、その金利を今月は0.675%とさらに引き下げてきたわけですね!
ちなみにこうした変動金利タイプのベースとなっているのは、1日もの金利などの短期金利ですが、すでにゼロ金利となっている短期金利がさらに低下しているわけはありませんので、この変動金利タイプの利下げは完全に「戦略的なもの」です。
つまり自社の利益を削って、金利を引き下げた、ということになります。需要期を前にさらに積極的になっているということではないかと思いますが、注目ですね!
さて当サイトで一番人気の新生銀行の12月の住宅ローン金利はと言うと以下の通りです。
◆新生銀行
・変動金利 : 0.980% → 0.980%
・10年固定 : 1.700% → 1.650%
・20年固定 : 2.100% → 2.100%
・30年固定 : 2.600% → 2.600%
>>>最新の金利はこちら
こちらは大きな動きはあまりありませんでしたが、ほぼ恒例となりつつある、条件を満たせば金利が0.1%引きとなるキャンペーンを実施中です。それを加味すれば実質金利はこのようになります。
・変動金利 : 0.980% → 0.880% (−0.10%)
・10年固定 : 1.650% → 1.550% (−0.10%)
新生銀行の住宅ローンは、ただでさえ実質コストが低いわけですが、このキャンペーンによってさらに実質コストが低下する、ということですね。この機会に比較・検討されてはいかがでしょうか。
>>>新生銀行の金利優遇キャンペーン詳細はこちらから
なお、新生銀行は、万が一の時の保障や返済停止機能を組み合わせた「安心パック」を付加するなど、金利競争以外のサービス拡充にも注力しています。住宅ローンの金利や手数料だけでなく、そうした付加価値についても目を向けてみると、また違った住宅ローン選びができるかもしれませんね。
[2014年1月以降の住宅ローン金利の動向]
気になる今後の住宅ローン金利の動向ですが、上記の通り、長期金利の下落ペースは弱まっており、ちょっと先が見えづらい展開となっています。
基本的には金利と連動すると考えられる株価が高水準で推移していることを考慮すれば、短期的・一時的には金利も多少は上昇する局面があるかもしれません。
ただし、季節的には銀行間の住宅ローン獲得競争が過熱するタイミングを迎えつつあることや、市場金利が上昇したとしても、絶対水準的には歴史的な低水準にあり、当面、住宅ローン金利は魅力的な金利水準を維持していくのは間違いないと思います。
一方で。
中長期的に考えると、カギとなるのは物価ですね。政府や日銀は、物価上昇=インフレの状態にするためにあらゆる金融政策を取っているわけですが、景気回復と相まっていよいよ本当にインフレになってくれば、実需と金融緩和縮小の両面から金利の上昇圧力になってきます。
足元の物価は若干プラスになった程度ですので、本格的な金利上昇にはまだまだ力不足ですし、個人的には少子化が続く日本で本当にインフレとなるのか、疑問を感じなくもないですが、中長期的な金利上昇の可能性については頭に入れておきたいところです。
ここでいつものように長期金利の2000年からの推移を振り返ってみたいと思います。
■長期金利グラフ(グラフ期間:10年)
前回の景気回復が始まった2003年には、長期金利は0.435%の最低金利をつけた後に急速に上昇し、1.5%前後にまで、実に1%近く上がったことが分かります。
仮に今後、景気回復が順調に進むのであれば、金利についても同じ様に+1.0%程度上昇する可能性がある、ということを示唆しております。
今のところ、慌てたり、焦ったりする必要は全くありませんし、逆に低金利が常態化した日本では「金利が上昇したとしてもその程度」とも言えるわけですが、とは言いつつ、住宅ローン金利が低いのに越したことはありません。
住宅ローンをご検討の方は繰り返しになりますが、そうした長い目で見た場合の金利上昇リスクを、頭の片隅に入れて、相対的に金利が低い間に、着実にご検討を進めていただければと思います。
その点では住宅ローン金利が魅力的な金利水準を維持した今月=12月というのは、やはり住宅ローンを検討するのにベストなタイミングが続いていると言えそうですね。
[今月の住宅ローン金利レンジ]
最後に、今月の具体的な住宅ローン金利のレンジをチェックするとこのようになっています。
■2013年11月の住宅ローン金利状況(実質金利)
・変動金利 :0.675%〜2.675%
・10年固定:1.20%〜3.90%
・20年固定:1.95%〜3.65%
>>>今月の住宅ローン金利比較はこちら
やはりこうして見ると、極めて魅力的な金利水準ですね!参考になさってください。